|
FALLEN ANGELS
|
TITLE |
FALLEN ANGELS
|
JACKET |
|
REVIEW |
Knox(ex
.Vibrators,Urban Dogs)がHanoi RocksのNasty
Suicide,Sam
Yaffa,Razzleの全面的なサポートを得て'84年に発表したアルバム。(Andy
Mccoy,Michael
Monroeもクレジットこそされていないが、レコーディングに参加していた模様。)
事実上Knoxのソロアルバムとも呼べる内容だが、今作での彼はサポート陣の影響を受けてか、ソングライティング、パフォーマンスの両面でVibrators時代には余り見受けられなかったルーズなR&Rスタイルを志向しており、なかなかの格好良さ。(ちょっとJohnnyっぽくもありGood!!)
ちなみに、ジャケ絵はTyla,Ono-ChingよろしくKnox本人の手によるもの。
|
|
|
FALLEN ANGELS
|
TITLE |
IN LOVING MEMORY
|
JACKET |
|
REVIEW |
'86年にJungleレコードからリリースされた2ndアルバム。またもやジャケ絵はKnox作。
サウンド面ではアコースティックギターを多用した穏やかに聴かせる曲調のものが多く、1stにも増してKnoxのソロプロジェクト色が強まった印象。しかしKnoxのソングライティング能力には非凡なものがあり、よくよく聴けばLou
Reedにも似たその歌声と相まって、これはこれで楽しめる。個人的には夏になると聴きたくなる、そんな海辺のドライブに似合うアルバムである。
Hanoi関係ではAndy,Nastyの2人が数曲参加しているが、強烈な存在感はそこにはない。
|
|
|
CHERRY BOMBZ
|
TITLE |
HOUSE OF ECSTACY
|
JACKET |
|
REVIEW |
Hanoi解散後、Andy,Nastyが女性シンガーAnita,Timo
Caltio,元ClashのTerry
Chimesと結成したバンド、Cherry
Bombzが'86〜'87年に残した全音源を完全パッケージングしたお買い得盤。ちなみにバンド後期のベーシストはDave
Tregunna(ex. Sham
69,Wanderers,The Lords)。
前半13曲はDave加入後の'86年9月に行われたMarqueeでのライブ音源。冒頭のギター2本が絡むスリリングな曲調のインスト曲「Intro」は今年2月の再結成Hanoi来日公演でも披露され、一部の熱狂的なファンに感動の嵐を巻き起こしたのは記憶に新しいところ。バンドのコンビネーションも最高で、とても翌年には空中分解してしまうことになるバンドのパフォーマンスとは思えない。
後半7曲はスタジオテイク。流石にプロダクション的には文句なしの内容で、Lordsばりのコーラスワークがばっちりきまった,Hanoiよりコマーシャルな楽曲群にはもう降参!!この布陣でのフルアルバムを是非完成させて欲しかったというのが正直なところだ。
|
|
|
THE SUICIDE TWINS
|
TITLE |
SILVER MISSILES AND NIGHTINGALES
|
JACKET |
|
REVIEW |
AndyがHanoi
Rocks,Cherry Bombzで活動する課程で蓄積されたアイディアを盟友Nastyとともに具現化したアコースティック色の強いアルバム('86年発表)。Dave
Tregunna,Charlie
Harper(ex.
UK Subs,Urban Dogs)やHanoi末期のメンバーだったRene
Berg(R.I.P.)もゲスト参加。
Johnny Thundersが『Hurt Me』,Dogs D'amourが『A Graveyard Of Empty Bottles』を発表したことによりその評価を一層高めたように、「Heaven
Made You」,「The Best Is Yet To Come」等の甘く、切ない名曲を数多く含む今作によりAndyは才能の豊かさを周囲に知らしめ、その存在感を確実なものにしたと言えよう。
個人的にはHanoi人脈の残した作品の中で最も多く聴いたであろうまさに宝石のようなアルバム。
|
|
|
ANDY McCOY
|
TITLE |
TOO MUCH AI'NT ENOUGH
|
JACKET |
|
REVIEW |
Cherry
Bombz解散後2年のブランクを経て'88年に発表されたアルバム。
従来のAndyのイメージに近い曲もあるにはあるが、全般的には初のソロアルバムということで気ままに幅広い楽曲に挑戦してみましたと言う感じ。実際初めて聴いたときには派手なホーン入りのファンキーな曲やディスコ調の曲があったりと驚かされたが、多様な音楽性に挑戦して、見事に消化してのけるAndyのセンスの良さには脱帽。個人的にはAndyのヘタウマ系ボーカルが全編通して聴ける今作は当然アリです。(もはやエコ贔屓か!?)
|
|
|
SHOOTING GALLERY
|
TITLE |
SHOOTING GALLERY
|
JACKET |
|
REVIEW |
'92年発表の個人的には大いなる問題作。
AndyはD.Tregunna,P.Garisto(ex.
Psychedekic Furs)らとレコーディングした今作によりHanoi以来念願の全米制覇を夢見ていたに違いない。
時折しも全世界的な成功を収めたGuns,Skid RowらがHanoiへのリスペクトを表明するなど、まさにバンドにとって追い風が吹いている状況下で大手ポリグラムと契約を交わし、活動の拠点を米国に置いたという事実、そしてHanoi,Cherry
Bombzの代表曲を今作で敢えてリメイクしたという事実からもAndyのやる気は相当なものであったと思われる。
確かに今作の1,2曲目等勢いのある曲もある。しかしながら全般的にはB.G.Bang!(ex.
Kill City Dragons)の生温いボーカルを筆頭にやや緊張感に欠ける散漫な出来と言わざるを得ない。
かくして周囲の予想通りにこのバンドは今作発表後4ヶ月で空中分解、我らがAndyはカルトヒーローの座を堅持したのである。
|
|
|
SLUM LORDS
|
TITLE |
HAR-DEE-HARHAR
|
JACKET |
|
REVIEW |
Andyを除くShooting
Galleryのメンバーが、何故か元聖飢魔Uの大橋氏と結成したバンドによる'92年発表のミニアルバム。
パンクでもグラムでもなく、ロックとしか言いようのない音楽性であるが、S.Galleryではミスマッチ感の強かったB.Dragonのボーカルもバンドの演奏に上手く溶け込み、また他のメンバー達も曲作りやコーラス面で積極参加していることもあり、バンドのまとまりとしてはS.Galleryより上に感じるほど。(実際、D.Tregunnaもその充実したレコーディングぶりについて語っていたことがある。)
|
|
|
ANDY McCOY
|
TITLE |
BUILDING ON TRADITION
|
JACKET |
|
REVIEW |
'95年に発表されたAndyにとって2枚目のソロアルバムにして、Andy自身をして「もしHanoi
Rocksが存在していたら、こういう作品を作っただろう」と言わしめたまさに"Back
To The Hanoi"といった印象の強いアルバム。(Hanoiの初代ドラマーGyp
Casinoも全曲参加。)
ここでのAndyの仕事ぶりはもう素晴らしいの一言!!ソングライティング面では切なく泣ける「Strung
Out」や、ロケンロー全開の「Born Again Electric」等を筆頭に佳曲の目白押し状態だし、切れ味鋭いギターを前面に押し出したプロダクションにしても一点の死角もなく、まさにパーフェクト。(もし難を言うなら、完璧な楽曲、演奏を前にしてAndy本人のボーカルが部分的ではあるが、負けてしまっている点か。)
ということで今作はAndyにバンド編成での完全復活を期待させる傑作なのである。
|
|
|
ANDY McCOY & PETE MALMI
|
TITLE |
BRIARD
|
JACKET |
|
REVIEW |
AndyがHanoi以前に在籍したBriardのボーカルPete
Malmiと連名にて'97年に発表したアルバム。(69
Eyesのメンバーもレコーディングに参加。)
いきなりニューロマ風イントロから始まる今作でのAndyはいつも通りと言えばその通りなのだが、楽曲面でいつものキャッチーさが不足気味で、自身のボーカルも枯れ過ぎ、いい加減過ぎの感は否めず、個人的には物足りなさを感じてしまうのも確かだ。(唯一「Border
To Border」でのギターソロは必聴!!Andyにしては珍しく突進型の豪快なロケンロー・ソロを格好良くキメてくれている。)
|
|
|
CHEAP AND NASTY
|
TITLE |
BEAUTIFUL DISASTER
|
JACKET |
|
REVIEW |
NastyがAlvin
Gibbs(ex. Brian James Band,UK
Subs,Urban Dogs),Timo
Caltio(ex. Cherry Bombz)らと結成したバンド、Cheap
And Nastyが'91年に発表した1stアルバム。
正直、長年フロントマンの陰に隠れて実体の見えにくかったNastyがこれほど高い完成度を持つアルバムを届けてくれるとは思ってもいなかった。
基本的にメンバーそれぞれが民主的に持ち寄った曲自体が極めてキャッチーなのだが、それを歌い上げるNastyの翳りのある低音ボーカルが何と言っても魅力的であり、更にはバンド間の完璧なチームワークもあって今作は非常にバランスの良い仕上がりを見せている。(全編を通してセンスの良いリードギターを聴かせてくれているのはNasty,それともTimo?)
|
|
|
CHEAP AND NASTY
|
TITLE |
COOL TALK INJECTION
|
JACKET |
|
REVIEW |
'94年に発表された2ndアルバム。
「Devil Calling」(NastyとD.Tregunnaの共作。Shooting
Galleryバージョンよりスピード感があり数段格好良し。)や「End
Of Time」(Nastyの声が心にしみる。)のような佳曲もあるが、前作に見られたような突き抜けて明るい曲がほとんど無く、暗く重いトーンの曲が続くせいか、全般的にやや単調で地味な印象は否めない。
ちなみに今作でほとんどのリードギターを弾いているのはNastyとのこと。
|
|
|
JAN
STENFORS
|
TITLE |
VINEGAR BLOOD
|
JACKET |
|
REVIEW |
Nastyが'96年にJan
Stenfors名義(本名)で発表したアルバム。 Sami
Yaffa(B)と実弟Frej
Stenfors(Ds)らのサポートを受けたNastyは、相変わらず愁いを帯びた魅力的な声を聴かせてはくれるが、もはやスリージーなRockerの姿はそこには無く、その伸びやかな楽曲とともに、重圧から解放されたかのような非常にリラックスした表情をさらけ出している。
この素晴らしい作品を最後に彼は新たな人生を踏み出すことになったが、未完の才能を持ったNastyを決して忘れはしない。
ところでラストを飾る名曲「Cold Wind」で歌われるJohnnyとは?
|
|
|
RENE BERG
|
TITLE |
THE LEATHER,THE LONELINESS & YOUR DARK EYES
|
JACKET |
|
REVIEW |
Hanoi末期のメンバーとしてレコーディング、ツアーにも参加したこともある故Rene
Bergが'92年に発表したアルバム。(Hanoiの「Fast
Car」は彼の作品。)
バックを固めるのはRat Scabies,Paul
GrayのDamned組と何故かBernie Torme。Bernieのヘヴィメタなギターが非常に耳障りだが、Reneのギタースタイルは明らかにJ.Thundersの影響を感じさせ微笑ましい限り。またReneの書く曲はHanoiにも通じるキャッチーでグラマラスなR&Rであり、その猫撫で声で歌われる曲の数々はなかなか楽しめる。Darrell
Bath(UK Subs,Crybabys,Dogs D'amour,Sabje
Jet)もバッキングボーカルで2曲参加。
|
|
|
MICHAEL MONROE
|
TITLE |
NIGHTS ARE SO LONG
|
JACKET |
|
REVIEW |
HanoiI解散後2年の歳月を経てようやく'87年に発表されたMichael
Monroe初のソロアルバム。(今作はRazzleに捧げられているらしい。)
まだこの時期のMichaelは曲作りに自信がなかったのか、全10曲中7曲までもが自らのルーツであるStiv
Bators,Johnny Thunders,Jimmy Zero(ex. Dead Boys),MC5らのカバー曲で占められている。その秀逸な選曲(=オリジナル楽曲自体の素晴らしさ)に助けられ、すんなり聴き入ることが出来たりもするが、味も素っ気もない、薄っぺらなスタジオミュージシャン風バッキングにはもっと何とかならなかったものかと困惑してしまうのも事実だ。
|
|
|
MICHAEL MONROE
|
TITLE |
NOT FAKIN' IT
|
JACKET |
|
REVIEW |
'89年に発表された2ndソロアルバム。
前作とは異なり、今作での彼は多くの曲を自作するなどソングライティング面での著しい成長を見せてくれている。またギタリスト1名を除き一新されたバック陣による演奏は明らかにドライブ感を増しており、Michaelの表現力の増したボーカルとのマッチングも良好である。惜しむらくはHanoi以来持ち続けていた退廃的な毒気が後退し、あまりにメジャー風のサウンドになってしまったことであるが、これはこれでMichaelの狙い通りか。
|
|
|
JERUSALEM SLIM
|
TITLE |
JERUSALEM SLIM
|
JACKET |
|
REVIEW |
MichaelがSteve
Stevens(ex. Billy Idolバンド),Sam
Yaffaらと結成したバンドが唯一残したアルバム。(バンド解散後の'92年発表。)
よくよく聴くと結構フックの効いた良い曲が多いとは思うが、MichaelとSteveのコンビネーションは正直言ってチグハグな感じ。Steveが自慢のメタリックトーンのギターで背後を隙間無く埋め尽くす中、Micahelも必死の反撃を試みてはいるものの、やや押されている感じは否めない。
結局MichaelとSteveの音楽性の違いが表面化してバンドは消滅。Steveはあの悪名高きVince
Neilのもとへと去ることに。Oh,Tragedy!!
|
|
|
DEMOLITION 23
|
TITLE |
DEMOLITION 23
|
JACKET |
|
REVIEW |
Jerusalem
Slim解散後、MichaelがSami
Yaffa,Jay
Hening(ex. Star Star)らと結成したDemolition
23のアルバム。('94年発表の今作は故Stiv
Batorsに捧げられている。)
J.Thunders,Dead Boys,UK Subsのカバー曲を含む今作でのMichaelは、'70sパンクへの憧憬と敬意を馬鹿が付くほど純粋に発散させている。しかし個人的に言えば、今作の評価はあくまでもそれ以上のものはなく、残念ながら急造バンドによる'70sパンクの単なる焼き直しにしか見えない。
|
|
|
MICHAEL MONROE
|
TITLE |
LIFE GETS YOU DIRTY
|
JACKET |
|
REVIEW |
Hanoi解散以降の試行錯誤の歴史に終止符を打ち、Michaelならではの毒々しさ100%のR&Rを確立する契機となった'99年発表のアルバム。
前作『Peace Of Mind』('96年発表)同様に母国フィンランドにて制作された今作で、敢えてMichaelはバンド編成を捨て、ソングライティングから演奏面までの殆どを独りでこなすことにより、バンドのフロントマンとしての重圧に押し潰されることなく非常に伸び伸びとした表情をさらけ出すことに成功している。愛妻Jude
Wilder(R.I.P.)との共作という形を取るソングライティング面での格段の進化にも目を見張るものがあるが、反面、Michaelと渡り合えるだけの強烈な個性を持ったギタリストの不在という課題が浮き彫りになってしまっているのは残念なところ。
|
|
|
GUNS
N' ROSES
|
TITLE |
USE
YOUR ILLUSION T
|
JACKET |
|
|
後にDuff
McKaganと共にNeurotic
Outsidersに参加することになるMatt
Sorum(ex. The
Cult)を新ドラマーに迎えて'91年に発表されたアルバム(『Use
Your Illusion U』と同時発売)。
音楽性の幅を広げて様々なスタイルの楽曲にチャレンジした今作にはシングル曲にもなった「Don't
Cry」,「November Rain」のような佳作も含まれるものの、バンドの不安定な状態(今作発表後Izzy
Stradlinが脱退)を反映してか、消化不良と言わざるを得ない楽曲も数多く含まれ、アルバム全体を通しての統一感に欠けるばかりでなく、冗長、大味な印象すら感じる。
'89年にはMichael
Monroeの「Dead, Jail, Or Rock
N' Roll」 のPVにAxlが参加、'90年には自身のレーベルからHanoiのアメリカ未発表の4作をリリースしたりと、GunsのメンバーがHanoiをリスペクトしていたことは余りにも有名だが、今作にはMichael
が「Bad Obsession」にサックスとハーモニカで参加。ちなみに冒頭曲「Right
Next Door To Hell」の作者としてIzzy,Axlと共にクレジットされている「Caltia」とはTimo
Caltioのこと!!
|
|
|
GUNS
N' ROSES
|
TITLE |
THE
SPAGHETTI INCIDENT ?
|
JACKET |
|
REVIEW |
メンバーの音楽的ルーツを反映したカバーアルバム('93年発表)とのことだが・・・。
採り上げられたDamned,Dolls,Stooges,Dead
Boys,Pistols,Johnny Thunders等の原曲自体の魅力、バンドのミュージシャンシップの高さもあってそれなりに聴けてしまうのも事実だが、Duffの奮闘が光る反面、他のメンバーからは先人達への愛情が殆ど感じ取れないというのはどうしたものか。またそのこなれた演奏とクリア過ぎる音質のせいか、原曲が本来持ち合わせていたヒリヒリするような緊張感、焦燥感が稀薄になってしまっているのも気になるところ。(後期Pistolsの超名曲カバー「Black
Leather」やMichaelが参加したDead Boysカバー「Ain't
It Fun」にしても然り。)
と苦言を呈してはみたものの、長い間アンダーグラウンドな世界に甘んじていた先人達にこれ以上ないスポットライトを当てることになったという意味では、非常に意義深い1枚!!
|
|
|