|
STIV BATORS/THE DEAD BOYS
|
TITLE |
STIV BATORS/THE EAD BOYS
|
JACKET |
|
REVIEW |
Dead
Boys解散後、単身L.A.に渡ったStiv
Batorsが'80年に発表したソロアルバム『Disconnected』にシングル曲を追加した『The
Lords And The New Creatures』とDsad Boysの傑作ライブアルバム『Night
Of The Living The Dead Boys』('79年3月のCBGBライブを収録したオリジナル盤から3曲カット。)のカップリング盤。
Stivがどのような経緯でこのソロ作を残したのかは不明なのだが、Michael
Monroeがカバーした名曲「A
Million Miles Away」を含む今作を聴く限り、あのヒステリックなNastyボーカルは影を潜め、夏ムード満載のパンク以前にガレージな楽曲を前に清涼感ある情緒的な声を披露している。いずれにしてもStivは希有な才能を持ったボーカリストであったと実感する。
またDead Boysのライブ音源であるが、プロダクション的にややおとなしめの印象がある2枚のスタジオ盤に比べて、荒々しく凶暴なパフォーマンスぶりが完全パッケージングされており、必聴!!「N.Y.のSex
Pistols」は伊達じゃなかったのだ。
|
|
|
THE BARRACUDAS
|
TITLE |
THE COMPLETE EMI RECORDINGS
|
JACKET |
|
REVIEW |
LordsのNick
Turnerが在籍したバンドが'80・'81年にEMIに残した音源を集めたコンピ盤。
一言で言うと、ジャケ写真からもわかるように、田舎のイモ兄ちゃんといった風情のメンバー達が奏でる青く、初々しく、情けなくなるカレッジ向けサーフ&ガレージ&サイケデリックなパンクという感じ。(悪くはないが決して一流でもない、何故か憎めない感じ。)
|
|
|
THE LORDS OF THE NEW CHURCH
|
TITLE |
THE LORDS OF THE NEW CHURCH
|
JACKET |
|
REVIEW |
Wanderersで活動を共にしたStiv
Bators,Dave
Tregunna(ex. Sham 69)がBrian
James(ex. Damned),Nick
Turnerと結成したパンク界のスーパーバンドが'82年に発表した1stアルバム。(結成当初は元Generation XのTony
James,元ClashのTerry Chimesもメンバーに名を連ねていたらしい。)
Dollsへの熱いリスペクトが胸を打つ「Li'l Boys Play With
Dolls」やStivの悲壮感漂うボーカルが印象的な「Livin' On
Livin'」等名曲揃いの今作は個人的には彼らの作品の中でもベストの出来。宗教的な荘厳すら感じるコーラスワークに彩られたダークでゴシックな世界観は、まさに革命的なものであり、デビュー作にして既に彼らの音楽性は完成されている。
実際Brianの多彩なギターワークと抜きん出たカリスマ性を放つStivの個性が際立ってはいるものの、独特のグループ感を生み出すリズム隊の2人の貢献も忘れてはならない。
|
|
|
THE LORDS OF THE NEW CHURCH
|
TITLE |
IS NOTHING SACRED ?
|
JACKET |
|
REVIEW |
'83年に発表された2ndアルバム。
1stで既に完成されていたダーク&ゴシックな雰囲気は相変わらずながら、表層的なスピード感、ハードさはやや後退し、ニューロマ全盛の時代性もあるのか、Stivの哀愁感漂うボーカルを機軸にしつつ、ダンサブルでメロディアスな一面を強調したアルバム。
|
|
|
THE LORDS OF THE NEW CHURCH
|
TITLE |
THE METHOD TO OUR MADNESS
|
JACKET |
|
REVIEW |
前作と打って変わってBrianのハードドライブするギターとStivのNastyボーカルが完全復活の3rdアルバム('84年発表)。
結局彼らのラストアルバムとなってしまったが、従来からの基本路線の完成系とも言える「Pretty
Baby Scream」等の楽曲に加えて、ハードロック調の図太いリフが格好良い超名曲「Method
To My Madness」やどうしちゃったのって位泣きメロ満載な「When
The Blood Runs Cold」等の新境地を含む今作の個人的な評価は1stと並びかなり高い。
|
|
|
THE LORDS OF THE NEW CHURCH
|
TITLE |
KILLER LORDS
|
JACKET |
|
REVIEW |
'85年にアナログ盤で発売されたベスト盤的性格を持つコンピ盤(オリジナルアルバムには未収録の未発表曲2曲を含む。)にシングルB面曲を追加した全19曲入の大充実コンピ盤('93年発表)。
「Hey Tonight」(CCRカバー),「Lords Prayer」(AdvertsのT.V.Smithの曲)等の未発表曲や「Girls
Girls Girls」(某アホバンドの曲とは同名違曲),「Gun Called
Justice」(アコースティックでブルージーな名曲。激渋!!)等のシングルB面曲がこの1枚で聴けてしまうのが単純に嬉しい。
|
|
|
THE LORDS OF THE NEW CHURCH
|
TITLE |
THE
LORDS PRAYERS U
|
JACKET |
|
REVIEW |
Dave,Nickの相次ぐ脱退に揺れた'87〜'89年に新メンバーを迎えて発表したスタジオ音源7曲に、Brian所有の未発表スタジオ音源5曲とライブ音源「Route
66」、そしてStivが映画『Tapeheads』中で歌った「Mr.Mx7」を加えた全14曲入編集盤('02年発表)。ブックレットにあるクレジットと実際の曲順が違うのには要注意だが、何はともあれ入手困難だった後期Lordsの音源がまとめて聴けるようになったことは嬉しい限り。
Vic Maileがプロデュースした「Real
Bad Time」,「Things Go Bump」,「Follow」,「Bang
Bang Baby Maybe」の4曲を聴く限りは3rdの延長線上にあると言えるサウンドながら、未発表音源やRufas
Thomasカバー「Walking The Dogs 」,The
Creationカバー「Making Time」からは、後期Lordsがよりルーツ寄りなサウンドへとシフトしつつあったことが伺え、非常に興味深いところ。
尚、初回プレス5,000枚に付くボーナスCDには'82年10月に行われたライブを収録。音質はそこそこながら、そこは黄金のラインナップならではの好演ぶり。冴え渡るBrianのギターワーク!!
|
|
|
BRIAN JAMES
|
TITLE |
BRIAN JAMES
|
JACKET |
|
REVIEW |
'90年に発表されたBrianのソロアルバム。
1曲のカバーを除き全曲Brianの手による楽曲はミディアムテンポのルーズなナンバーが多く、DamnedやLordsでの緻密な音作りに比べるとややラフでリラックスした印象。
しかし初めて聴くBrianの歌声はなかなか味があり、またただならぬ存在感を持つ切れ味鋭いギタースタイルは健在である。('79年に発表の初ソロ作のリメイク「Ain't
That A Shame」は名曲。)
|
|
|
THE DRIPPING LIPS
|
TITLE |
READY TO CRACK ?
|
JACKET |
|
REVIEW |
BrianがStonesやJ.Thundersとの仕事でその名を広く知られるJimmy
Millerをプロデューサーに迎えて制作したDripping
Lips名義でのアルバム。(Jimmyが手がけた7曲はその完成度の高さにおいて他の曲を遙かに超越している!!残念ながら'98年発表の今作が彼のラストワークとなった。R.I.P.)
やや散漫な印象すらしたソロアルバムに比べ、敏腕プロデューサーを得てようやく創作意欲が掻き立てられたのか、Brianの書く渋み、深みを増した楽曲の数々は流石としか言う他ない位に素晴らしい。(特に「Such A
Lot Of Stars」,「When The Dreams Say No」の2曲はむせび泣きたくなる超名曲。Brian本来のドライブ感溢れる派手な曲が少ないことが不満と言えば不満だが。)
ちなみに今作を聴いたCaptain SensibleがBrianのキャリア中で最強の布陣と語ったバック陣はRobbie
Kelman(vocals),Niko Mansy(bass),Paul
Zahl(drums-ex. Flamin Groovies)から成る。また元Maniacs,Physicals,Damnedの旧友Alan
Lee Shawもソロ作に引き続き3曲で客演していることも言及しておきたい。
|
|
|
MAD FOR THE RACKET
|
TITLE |
RACKETEERS
|
JACKET |
|
REVIEW |
BrianとWayne
Kramer(ex. MC5)の下にStewart
Copeland(ex. Police),Clem
Burke(ex. Blondie),Duff
Mckagan(ex. Guns N' Roses)らが集結して制作されたアルバムと訊けば、誰しもが「MC5,Damned直系のハイエナジーなサウンド」、あるいは「伝説の凄腕ギタリスト2人による壮絶なギターバトル」といったイメージを膨らませるに違いない。
しかし一聴すればそのイメージは見事に粉砕される。確かにDamnedの「I
Fall」(ソロはWayneが担当!)やStones風ルーズさが心地よい「Nuts
About You」等の期待通りの曲もあるが、全般的には渋く、枯れた味わいの実験的ガレージ・サウンドといった印象が強い。(地味目の曲が並び、少々ツラい。)2人の作る楽曲やギタースタイルの対比などマニアックな愉しみもあるにはあるが、他ならぬ2人だけに、正直貫禄のハイエナジー・サウンドを聴かせて欲しかったところだ。
|
|
|