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SYLVAIN SYLVAIN
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78 CRIMINALS
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Sylvain
Sylvain(ex.
Dolls)がJohnny&Jerry脱退後の末期DollsのメンバーであったBobbie
Blain,Tony
Machineらと結成したCriminalsが'78年に録音した未発表音源集。(今作中の「Kid's
Are Back」,「Cop's Are Coming」はSyl自身のレーベルからリリースされた後、Dollsメンバーのその後の音源を集めた『Sons
Of The Dolls』でも取り上げられた。)
ロカビリー、R&B等のルーツ音楽にSyl流のロマンチズムを絶妙に融合させたその軽快かつキャッチーなサウンドからは、Dollsが過剰なまでに放出していた毒々しさが完全に払拭されているが、楽曲的にも非常にバラエティーに富んでおり全く飽きさせない。またSylの母性本能をくすぐりそうな枯れた歌声も味わい深く、Dolls時代には鬱陶しさすら感じたクリーンに鳴り響くチャカチャカ&ロカビリーなギターでさえも今作を聴く限り、なかなかどうしての格好良さ。
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DAVID JOHANSEN
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DAVID JOHANSEN
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JACKET |
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REVIEW |
David
Johansen(ex. Dolls)が'78年に発表したソロ第1弾アルバム。(当初AerosmithのJoe
PerryがJack Douglasとともにプロデュースをする予定だったが、自身のバンドの多忙なスケジュールの為、結局2曲で競演するに留まった。)
Sylとの共作4曲(内2曲で競演)を含む今作は、全編後期Dollsサウンドの延長線上にあるエンタテインメント性の強いゴージャスなR&R、R&B路線を志向しており、Johansenのボーカルもノリにノっている感じ。反面、破綻のないオーソドックスなバッキングは明らかに刺激不足。残念ながらDolls時代のような崩壊寸前の奇跡のマジックはここでは起きていない。
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CORPSE GRINDERS
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VALLEY OF FEAR
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Actress(Dollsの前身バンド!!),Brats,Slugsに在籍したRick
RivetsがArthur
Kane(ex. Dolls)と結成したCorpse
Grindersは'78年にシングル1枚のみを残して解散したはずだったが、どうしたことか'84年になってRickがCorpse
Grinders名義で突然発表した好アルバム。(Stonesカバー「Please
Go Home」,「Miss Amanda Jones」を含む全11曲入。)
Arthurはもはや不在ながら、Dollsの脳天気なパーティー・バンドという一面を拡大解釈してCramps的ホラー&変態性とサーフ&ガレージ風味を増幅させたかのようなキャッチーな打ち込みリバーブ・サウンドは超強力である。
ちなみにRickのギターはJ.Thundersと非常に近いテイストを持っており、Ray
Jalbertのちょっぴり変態入った粘着質なボーカルとの絡みも絶妙である。
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THE DICTATORS
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GO GIRL CRAZY !
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JACKET |
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Stooges,MC5らデトロイト・サウンドと'77パンクの橋渡し的存在とされるDictatorsだが、今作('75年発表の1stアルバム)を聴く限り、切羽詰まった閉塞感や暴力衝動は皆無であり、Ramones同様のまさにアメリカでしか生まれそうにないカラっとした脳天気さ加減を醸し出している。
デトロイト・サウンドのみならず、'60sガールズポップ、Beach
Boysら'60sポップ等のルーツ音楽をごった煮にしたキャッチーな楽曲を抜群の演奏力(特にRoss
The Boss Funichelloのメタリックなギターは切れ味抜群の格好良さ。後にHMバンド、Manowarを結成するのもある意味納得。)と完璧なコーラスワークで聴かせる今作は、聴き込むほどに味が出てくる好盤である。
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JAYNE COUNTY AND THE ELECTRIC CHAIRS
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DEVIATION
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JACKET |
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REVIEW |
N.Y.パンク創生期から活動を続けるオカマ怪人Jayneが'95年に発表したアルバム。(Runnawaysの「Cherry
Bomb」のカバーを含む全11曲。)
オカマと侮ることなかれ、今作での彼女?はN.Y.パンクの良き伝統にのっとり(と言っても決してアートがかったインテリ志向の奴じゃなく)、堂々とRamones,Heartbreakersスタイルの'60sガレージ&ポップを消化したR&Rパンクを聴かせてくれる。(これがまたB級ホラー・SFムービーにでも使われそうな下世話で猥雑な出来でなかなか刺激的。)
Johnny,Jerry,Stiv,Joey,そしてDee Deeまでもが亡き今、是非JayneにはN.Y.パンクの生き証人として更なる活躍を期待したいものだ。
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ROCKET
FROM THE TOMBS
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THE
DAY THE EARTH MET THE ROCKET FROM THE TOMBS
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JACKET |
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REVIEW |
Dead
BoysのCheetah
Chrome,Johnny
BlitzとPere UbeのDavid
Thomas,Peter
Laughnerがかつて在籍したクリーブランドの奇跡、Rocket
From The Tombsが'75年に残した幻のデモ音源9曲とライブ音源10曲を集めた編集盤。
Stooges,MC5のサウンドを更に凶暴にした凄まじいまでにヘビーなサウンドとVelvets的なアート志向でアヴァンギャルドなサウンドが混在するその大迫力なサウンドにはただ圧倒されるのみ。公式音源を残すことなく燃え尽きた彼らであるが、もしもこれらのサウンドがスタジオ録音されて公式に発表されていたら、前述したバンド達と同等の評価が必ずしや与えられたに違いないと確信する。
Dead Boysの「What Love Is」,「Ain't It Fun」,「Sonic Reducer」,「Down
In Flames」等の曲がこの時期にして既に完成されているのも興味深いところ。蛇足ながら、若かりし日のCheetahの真ん中分けロングな髪型にも要注目(笑)!!
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CHEETAH CHROME
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DEAD BOY ALIVE IN DETROIT
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JACKET |
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REVIEW |
最近では目立った活動が伝えられていなかったCheetah
Chrome(ex. Dead Boys)が突然発表した'99年デトロイト公演を収録したライブ盤。(ライブ音源11曲に'79年発表のソロ名義での1stシングル「Still
Wanna Die」を追加収録。)
全曲Cheetahの手による楽曲は、一貫して哀愁のハードロック・テイストを持つRawパンクを志向しており、改めて彼こそがDead
Boysサウンドの中核であったことを再認識させられる。(11曲中6曲がソロ、4曲がDead
Boys、1曲がRocket From The Tombsの曲!!)
Cheetahの絞り出すようなボーカルは、お世辞にも上手いとは言い難いが、なかなか味わい深いものがある。しかし肝心のギターワークは、歌いながらという行為の難しさからか、悲しくプルプルと音を立てる場面もあり、正直精彩を欠いていると言わざるを得ない。
とにかく現時点ではCheetahが再びシーンに返り咲いたという事実をまずは素直に喜びたい。と同時に、近い将来に純度100%のを引っさげて完全復活を果たしてくれることを熱望する。
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PAGANS
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TITLE |
SHIT STREET
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JACKET |
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REVIEW |
クリーブランド出身の伝説のガレージパンクバンド、Pagansが'77〜'79年に残した19曲のスタジオ録音と'79年のライブ音源14曲を含む編集盤。
同郷のDead Boysとの共通性が語られることの多い彼らの音楽性だが、'60sガレージ色をより強く感じさせるものの、確かにデトロイト・サウンドをルーツにしながら哀愁のギターをフィーチャーしたRawパンク・サウンドには頷けるものがある。(特にMike
MetoffのギターはC.Chromeと非常に近いスタイルで超格好良し。)この辺の音楽的類似性はライブ音源中で彼らが「Heart
Of Stone」や「Search & Destroy」を取りあげていることからもわかるように、Dead
Boysと共通のルーツを持つことに起因するものと思われるが、実際ライブ音源中の2曲にCheetahとJimmy
Zeroの2人が参加している事実から、人的交流による直接的影響も少なからずあったものと思われ、興味深いところだ。
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SHOTGUN
RATIONALE
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TITLE |
ROLLER
COASTER
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JACKET |
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REVIEW |
N.Y.パンクの生き証人、Sonny
Vincent(ex. Testors)率いるShotgun
Rationaleが'93年に発表した3rdアルバムにしてラストアルバム。世代を越えた幅広い交友関係が知られるSonnyだが、今作でもCheetah
Chrome(ex. Dead Boys),Scott
Asheton(ex. Stooges),Richard
Hell(ex. Voidoids),Maureen
Tucker & Sterling
Morrison(ex. Velvet Underground)等の蒼々たる面子がゲスト参加!!
Stoogesの『Fun House』辺りからの影響を強く感じさせる、ささくれ立ったヘビー・ガレージサウンドを性急なスピード感で聴かせるその音楽性からはDead
Boysと共通のものを感じさせる。しかし時代性からか、曲によってはグランジ臭漂うギターが妙に鼻につき、せっかくの疾走感をスポイルしているのは残念なところ。
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GG
ALLIN
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SINGLES
COLLECTION (VOLUME ONE)
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JACKET |
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REVIEW |
'93年に惜しくもこの世を去った元祖スカムロッカーGG
Allinが'77〜'85年に残した貴重なシングルを集めた全16曲入編集盤。グラム、パンクロックに恋した青年が次第に極悪度・変態度を増幅させながらぶち壊れていく過程をとらえた壮絶なドキュメンタリー第1幕。
GG with MC2(Wayne
Kramer&Dennis
Tompson)名義で'80年に発表された軽快に駆け抜けるR&R「Gimme
Some Skin」はもちろんのこと、ハードなギターをフィーチャーしてT.REX風グラムサウンドを展開するB面曲「Dead Or Alive」やハードコアサウンドを導入した'83年のシングル「No
Rules」の4曲にしてもGGの非凡なポップセンスが滲み出ており侮り難いが、いずれの曲にしても録音時期を問わずスカスカでショボいプロダクションなのはいかがなものか。
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THE
CHESTERFIELD KINGS
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NIGHT OF THE LIVING EYES
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JACKET |
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REVIEW |
J.Thundersとの共演経験もある"King
Of ネオガレージ"バンドが'79〜'83年に残した音源を集めた編集盤。('89年発表。クレジットから全15曲ともカバー曲と思われる。)
1作ごとにその音楽性を豹変させる彼らだが、何をやってもそのオタッキーな成り切りぶりには本当に感心させられる。この時期の彼らはどっぷりと'60sガレージパンク・スタイルに傾倒しているが、Stones初期の頃のM.Jaggerを更にふてぶてしくしたようなGreg
Prevostの舌っ足らずボーカルにはただならぬ存在感があり、バック陣の手堅いサポートや凝りに凝ったプロダクションと相まってあたかも自分達のオリジナルであるかのように完璧に消化している。
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THE CHESTERFIELD KINGS
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THE BERLIN WALL OF SOUND
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JACKET |
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メンバーチェンジを経て'90年に発表された4thアルバム。
Muddy Watersに捧げられた作品らしく確かにドBluesな曲もあるが、ジャケットからして思わずニヤりとさせられる全編Dollsへの愛情溢れるサウンド満載。Dee Dee Ramoneの曲「Come Back Angeline」,Dollsバージョンでのカバー「Pills」の2曲以外はオリジナルで占められるが、いずれもがDolls、そしてMC5,Stoogesらデトロイト・サウンドをモチーフにした良質のR&Rチューンとなっており、改めて彼らのセンスの良さ、音楽的ルーツへの確かな愛情を実感する。特筆すべきはGregのボーカルであるが、今回はD.Johansenにすっかり成りきっているから恐ろしい。
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THE CHESTERFIELD KINGS
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LET'S GET STONED
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JACKET |
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Mick
Taylor(ex.
Stones),Gilby
Clark(ex. Guns N' Roses)らをゲストに迎えてレコーディングされた6thアルバム('94年発表)。
今作で彼らが見せるスタイルは南部志向のStonesそのもの。実際Stonesの「Street
Fighting Man」,「Can't Believe It」ばかりでなく、K.Richardsが取り上げた「Worried
Life Blues」,「Sing Me Back」もカバーするなどまさにやりたい放題。またオリジナルにしてもStonesへの憧憬、リスペクトに満ち溢れており、カバー曲に負けず劣らずレベルが高いのも見逃せない(当然のことながらGregは
M.Jaggerに成りきり状態)。
1つのスタイルに囚われることなく、並々ならぬ愛情を込めつつ自らのルーツを掘り下げていく彼らのマニアックともいえる探求心には本当に頭が下がる思いだ。
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THE CHESTERFIELD KINGS
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TITLE |
WHERE
THE ACTION IS !
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JACKET |
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REVIEW |
'99年に発表された8thアルバム。
今作では初心に立ち返り、再び'60sガレージパンク・サウンドを展開。全17曲中の大半をカバー曲(Third
Bardo,Electric Prunes,Standells,Blues
Magoos,Syndicate Of Sound,Kinks,Yardbirds等)が占め、その渋い選曲と完璧な消化具合にはいつもながら感心させられるが、オリジナル曲も負けず劣らずの充実ぶり。特にMark
Lindsay(ex. Paul Revere & The
Raiders)と共作・共演した爽やかなメロディと絡み合うコーラスが印象的な「Where
Do We Go From Here」とGregのふてぶてしいボーカルが冴え渡るドロドロ&ハードな曲「I
Walk In Darkness」は出色の出来!!
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JEFF DAHL
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I KILL ME
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JACKET |
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REVIEW |
Vox
Pop,Angry Samoans,Power Trip,Jeff Dahl Groupの主要メンバーとして長年L.A.パンクシーンで活躍してきたJeff
Dahlが'88年に発表した1stソロアルバム。
今作にはCheetah Chrome(ex. Dead
Boys)が全面的に参加しており、反則技「Ai'nt
Nothin' To Do」や「Search And Destroy」,「Paint It Black」のカバーを含む全16曲、まさにDead
Boys風スノッティ・サウンド全開である。(Samoans,Lazy Cowgirlsのメンバーも数曲ゲスト参加。)
正直言うとJeffのアクの強いヘナチョクボーカルは少々苦手なのだが、今作での彼は自身の永遠のアイドル、Stiv
Batorsをより一層意識したと思われるナスティー・ボーカルを披露しており、なかなかの熱演振りである。また何と言ってもCheetahのギターであるが、相変わらずソロの入り方がスリリングで、一瞬にしてその場の空気を支配してしまう痙攣ギターには圧倒的な存在感がある。
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JEFF DAHL AND POISON IDEA
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TITLE |
DEAD BOY
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JACKET |
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REVIEW |
オレゴン出身の巨漢ハードコア・バンドPoison
IdeaをバックにJeffが歌うStiv
Batorsカバー2曲に、それぞれの曲を3曲ずつ追加した'92年発表のミニアルバム。(Stivの死に際しJeffが実現させた企画らしい。)
競演曲2曲(Lordsの「Open Your Eyes」とDead Boysの「Flame
Throwew Love」)は、ともに原曲に忠実なアレンジながら、キーボードレスのアグレッシブな演奏でなかなかの迫力。またJeffはソロ部分でもRatboy(ex.
Motorcycle Boy)をギタリストに迎えてLordsの「Method
To My Madness」を取り上げているが、こちらはJeffのヘナチョコ・ボーカルが顔を出し、個人的には今一つの出来。
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THE
JONESES
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CRIMINAL
HISTORY
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JACKET |
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REVIEW |
'80年代半ばにL.A.で活動しながらも、L.A.パンク、バッドボーイズ・シーンのいずれの波に乗るわけでもなく、静かに歴史の闇に消えた愛すべきロックンロール・バンド、The
Jonesesの足跡を辿った好編集盤(全20曲入。'00年リリース)。
銀行強盗未遂の罪で投獄経験もあるフロントマンJeff
Drakeの手による、Johnny Thundersリスペクト度の高いギターとヘロヘロ声のボーカルをフィーチャーしたルーズでチンピラ度満点のロックンロールをして、Dolls,Heartbreakersフォロワーと呼んでしまうのは余りに簡単だが、彼らの音楽性からは同時にまたChuck
BerryにStones、更にはカントリー、ブルースまで自らのルーツに対する溢れんばかりの愛情が滲み出ており、その懐の深さには恐れ入るばかり。"Route
66"のみならずProfessionalsの名曲"1-2-3"をサラりとカバーしてみせるセンスの良さも見逃せないところ。
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THE
HUMPERS
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LIVE
FOEVER OR DIE TRYING
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REVIEW |
Jeff
Drake(ex. Joneses)の実兄、Scott'Deluxe'Drake(ex.
Suicide Kings)率いるHumpersがEpitaphから'96年に発表した5thアルバム(Clashカバー「Protex
Blue」を含む全17曲)。
Jonesesをよりガレージー&パンキッシュにしたHeartbreakers,Dead
Boys風サウンドと言ってしまえば聞こえが良いが、その音楽性からは残念ながらJonesesほどのしなやかさは感じられず、Scottのマッチョで一本調子なボーカル及び繊細さの欠片もない体育会的ノリのバッキングが楽曲そのものの単調さを強調するばかり。
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FASTER PUSSYCAT
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TITLE |
FASTER PUSSYCAT
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JACKET |
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REVIEW |
ジャケットに写るメンバーの不敵な面構えからして只者ではない風情を漂わすFaster
Pussycatの'87年発表の1stアルバム。(Brent
Muscatのひたすら妖しいルックスが印象的!!)
個人的な見解を言えば、'87〜'89年頃に隆盛を誇ったL.A.バッドボーイズ・シーンのバンド群の殆どが見かけ倒しのクズであったが、その中で共感できた数少ないバンドの1つが彼らであった。大味なアメリカン・ハードロック的プロダクションと稚拙な演奏は決して誉められた代物ではなく、B級の香りが強く漂うのも確かだが、Dolls,Aerosmith,Hanoi
Rocks等への素直な憧憬を感じさせる毒々しくもチープな楽曲群はひたすら愛らしく、Taime
Downeのしゃがれた猫なで声は希有な個性に溢れている。
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AMERICAN
HEARTBREAK
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POSTCARDS
FROM HELL
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JACKET |
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REVIEW |
'80s末〜'90s初頭に活躍したS.F.産バッドボーイズ・バンド、Jetboy(Hanoi
RocksのSam Yaffaも在籍!!)のギタリスト、Billy
Rowe率いるバンドが'00年に発表した実質的な1stアルバム。
一足先にデビューしたWildhearts,Backyard Babies,Black
Halos等をイメージさせるラウドなギターに乗せて疾走する単純明快、パンキッシュなR&Rは、良好なプロダクションもあって素直に聴き入ることが出来るが、未だ独自の個性を確立するには今一歩の感も。しかしながら、全編を貫く気恥ずかしくなる位に真っ正直でキャッチーなメロディと爽快なスピード感は今日的普遍性を伴うもので、今後の更なる成長を期待させる。曲によってはJohnny
Thunders風ギターが飛び出すばかりでなく、シークレットトラックにてDollsの"Trash"を溌剌とカバーするなど、薄味ながらもルーツ志向を伺わせる辺りも好ましい限り。
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LOOSE
LIPS
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TAKIN'
TRASH
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JACKET |
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REVIEW |
S.F.ガレージ・シーンの重鎮バンドRip Offs, Infectionsの元メンバーを中心に結成されたLoose
Lipsが'99年に発表した1stフルアルバム(Hollywood Bratsカバー「Tumble
With Me」を含む全12曲)。
そのHeartbreakersをよりルーズにしたような見事な「枯れ」具合のR&Rはメンバーの豊富なキャリアを偲ばせるに充分とはいえ、少々地味目な印象も。ライブ感を重視したシンプルなプロダクションには好感が持てるものの、メロディを更に際立たせる為にコーラス、ギターワークの両面でもう少し作り込んでも良かったのかも。
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THE
RIFFS
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TITLE |
UNDERGROUND
KICKS
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JACKET |
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REVIEW |
元Defianceのメンバーを擁するオレゴン出身の'77スタイル・パンクバンド、The
Riffsが'00年に発表した1stアルバムの再発盤。
そのOiのスパイスを利かせた横ノリR&Rパンクは大味かつ荒削りと言わざるを得ないが、Johnny
Thunders & Steve Jonesリスペクト度が非常に高いギターサウンドはとにかく魅力充分!!楽曲面でも今一歩のキャッチーさが欲しいところだが、「Streets
Of Tomorrow」等は彼らのProfessionals好きが色濃く滲み出ており微笑ましい限り。その他、David
Bowie,Slaughter &The
Dogs,Cockney Rejects等先人達からの影響を素直に発散させている辺りもまた好感度高し。カバー曲にVelvet
Undergroundの「Waiting
For The Man」を選ぶセンスからも彼らのルーツが分かろうというもの。
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THE
STAR SPANGLES
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TITLE |
BAZOOKA
!!!
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JACKET |
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REVIEW |
ロックンロールの聖地ニューヨークから登場した期待の新星、Star
Spanglesが'03年に発表した1stアルバム(Gang
Warカバー「Crime Of The Century」を含む全14曲+CD Extra映像1曲収録)。
プロデューサーにRamonesとの仕事で知られるDaniel
Rayを起用した今作では、Dolls,Ramones,Johnny
Thunders等の先人達へのあからさまな愛情と憧憬が滲み出た、荒削りながらも若気の至り的ガッツに満ち溢れたロックンロールを展開。Generation
X時代のBilly Idolを更にヤサぐれさせたかのようなIan
Wilsonのチンピラ度の高いボーカルも魅力的だが、黄金のギターリフに先導される暴走サウンドが痛快極まりない「I
Live For Speed」は勿論のこと、Johnny&Patti的夫婦漫才風掛け合い(?)が楽しい「Science
Fiction/Science Fact」や胸キュンメロディ&コーラスが光る「In
Love Again」など楽曲面での充実ぶりも特筆したいところ。最大の課題はソロ・バッキングともに線の細さを感じさせるギターワークか。
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